【エリザベスご乱心】
あれは確か俺が依頼で渡した普通のアクセサリーショップにあるものだった。
その後ゆかりに『あの時計誰に渡したの?』と聞かれ顔面掌底の前が見えねぇ状態になったのは言うまでも無かったのだが。
それは置いといて。
うんしつこいようだけど確かにあれは俺が渡したプラチナウォッチだそれは間違いない。
高校生に万単位の物を貢がせようとする外国人年齢不詳の人に渡したんだ。
ペルソナ音頭ではなく月光音頭を聞いたり人体模型を集めたり土偶を集めたりと謎ばかりの人に渡したんだ。
平行世界では俺専用肉奴隷兼俺専用肉布団兼俺を追って外国からやって来た妊娠三ヶ月で日に四回ほど青姦を強要されている哀れな妊婦初心者だという女性だ。
それが今アイギスが巨大化した挙句バズーカ撃ったりパンチでビルを破壊したりしている姿になっているのは何がどうなったんだ。
読点無いや。
「何がどうなってるのーーーーー!?」
ツッコミの女王様お疲れ様です。むしろ俺が聞きたいですよオバ『グシャ』お姉さん。
「パンチだ、アイギス!」
『ま゛!』
ああ、全てが分かった。よりにもよって今度アイギスが融合したロボットはこれですかそうですか。
事の元凶でもあるエリザベスは恍惚の表情をしながら、巨大化したアイギスの肩に乗って腕時計で指示を出している。
その表情ときたらネウ○に出て来る江崎さんが人間を貫通させた時の表情並みにエロヤバい。
具体的にどれ位かって言うと参考までにリンクする。
http://www1.odn.ne.jp/cjt24200/yamada/log/46/index.html#05
伏字意味ねぇ。
「で、改めて聞くけどあんたあの時計に細工してないでしょうね?」
いやいやいやいや、いくらユニバースの俺でもさすがに無理です。
しかしユニバースと聞くとどうもあのグラサン大尉を思い出してしまう俺髭ガンダム。
「ってかあの人誰よ?」
「私は彼専用肉奴隷兼彼専用肉布団兼彼を追って外国からやって来た妊娠三ヶ月で日に四回ほど青姦を強要されている哀れな妊婦初心者でもあり時には彼のマーラ様で触手プレイも嗜まれているエリザベスです」
なげーよ、マジなげーよ! ってか本家のあの人よりも設定増えてんじゃねぇか!
こっちの俺は触手プレイは嗜んでねぇぞ!
というかお願いですから女王様、般若の顔でこちらを見ないでください。
何か気の利いたジョークでも言って場を和ませよう、そうだそれが一番いい。
「どうでもいいけど般若って怒った女の顔がモデルなんだよね?」
グシャ
何度目か分からない前が見えねぇが炸裂した。
シチュー運び乙。
さて、エリザベス。お前に何があったのか説明させてもらおうじゃないか。確かお前は普通にベッドルームに佇んでいたよな。
「あら、貴方の考えるベッドルームでいつも逢引していたのではないですか」
間 違 え ま し た。
「実を言いますと……」
はい、また顔面を陥没させている俺が静かに聞きます。
「本編が通称アイギスルートだったのが気に食わないのでぶち壊してやろうと」
「それ手伝うよエリザベス」
お前いつの間に仲間になった? というかあれが無いと本編の最後が成り立たないだろ。
ちなみにアイギスは巨大化したまま顔に青と赤の縞々を付けてつっ立っている。
てゆーかお前あっちでは平賀部長をエレガにした挙句運命コミュ乗っ取ったじゃないか。
「何を隠そう、今ここにいる私とあちらの私は同一人物です」
隠してねーよ、隠されてねーよ。モロバレじゃん、クワト○大尉や謎○食通位モロバレじゃん。
だから伏字意味ねぇっつってんだろ。
「いいえ、厳密に言えば今の私はあちら側の人間です。ちなみに今はこちら側の私はあちら側に存在してます」
ああ、どおりでなんか違和感があると思ったよ、というか俺の考えている事が彼女には丸分かりなのか。
「そういう事でございます。なかなかあちら側の貴方とは違ってドピンクでSな発想力をお持ちのようで」
ああもう疲れた、俺はツッコミ気質じゃないし休むか。
「それじゃ行こうか、エリザベス」
前言撤回。この中でのツッコミキャラがいなくなったら誰がするというんだ?
「荒垣さんが残ると思います」
頼むから彼休ませてやれよ。そろそろ風花の料理を食べ過ぎて耐性持ち始めてきているんだよ、毎日少量の毒物を摂取し続けた結果だしよ。
そのまま飛び去ってしまった二人。後には俺一人。
「なに? 何だこの疎外感?」
そして何事もない様に帰宅する俺。
うん、さっきまでのは夢だ、夢だったんだ。よしそうしようそうじゃなきゃ色々大変だ。
例え寮の入り口付近に巨大アイギスがいたとしてもだ。
「助けてーーーー!!」
誰ーーーー!?
「天田様、早速ですがチェックの服と半ズボンを着てこのプラチナウォッチを装備してください、というか脱がしてでも着せますよハァハァ」
エリザベスーーーー!?
「エクセレント! 私も手伝おう!」
生徒会長自重しろ。
「さ、真田さん! 真田さん助けて!」
天田はとりあえず俺が帰ってきた事をまだ把握出来てないようで、筋肉先輩に助けを求める。
「何を言っている、普段から鍛えていれば問題など無いだろう?」
「今が! 今があるんです!!」
ちょっと興奮したエリザベスと美鶴の手で半裸にされる天田。ゆかりはとりあえずカメラでその光景を撮っている。
お前ら何をやっている。
「巨大ロボには半ズボンの美少年って相場が決まっているじゃありませんか」
知らねぇよ! 後カメラで撮っている奴は今夜同じ事をしてやるから覚悟しろ。
「調教乙でございます」
それが俺のアイデンティティだからな。
「時にボケを行う、それが彼との違いですか」
比較すんな。
「マイサンの大きさも殆ど変わらないようで」
…ねぇ、何で把握しているの? 何で把握しているの?
「まったく、あちらのチェリーボーイに比べるとあら羨ましい、まぁ羨ましい、そしていやらしい事ですね」
チェリーなのかよ、やっぱ触手エロゲばかり遊んでいるからか。
「彼の夢は27歳のクリスマスの夜に、たまたま出会った会社帰りの私に拾われてペットになる事ですから」
お前何メッセンジャーのログを引っ張り出してきてんだよ。
「その後立派に(チュドーン)奴隷になり、死ぬまで童貞を貫くそうです」
ツッコミどころ沢山というか。
「それで天田様はせっかくですので性的にも剥きました」
「うう…汚された……」
小学五年生で、か。
「この写真は…とりあえず雑誌に投稿する?」
「いや、まずは焼いてくれ、保存用と転売用と使うために三枚ほどだ」
何寮のロビーで不穏当な行為かつ不穏当な会話をしているんですかあんた等は。
って言うか何に使うのオバ『グシャ』お姉さん。
もう今日だけで何回顔面を陥没させただろうか?
「さて天田様、早速ですがこのプラチナウォッチを付けて『来るんだ、ジャイアントアイギス!』と言って呼び出してください」
「待ってくださいよ…寮壊れるじゃないですか」
「心配するな、私のポケットマネーで直そう」
桐条の財力をそんな欲望のために使うなのよ。
気のせいか背中にお父さんが泣きながら何か言っているような気がしますから。
ってか、荒垣さん生きててお父さん死んでいるってどんな世界だよ?
「……分かりましたよ」
そんな世界に絶望したような目にハイライト無い顔をするなよ。
「クルンダ、ジャイアントアイギス」
最早人間としての感情を捨てたか。
チュドーンギャーーー!!
やっぱりアイギスが屋上をぶち破ってきたよと言うか、一階からじゃ足しか見えないよ。あの足じゃBJのピ○コだよと思ったのも私だ。
ちなみにテレッテらしき悲鳴が聞こえたが、この際気にしない方向だ。
「さすがでございますね、やはり少年と巨大ロボは萌え要素の一つですね」
「早速だがアイギスの右足首にあるキッチンやベッド完備の緊急避難スペースは使わず、頭にある手すりにつかまって操縦してくれ」
お前ら鬼か!? 確かに原作でも使わなかったけどよ!
「ワカリマシタ」
天田ご愁傷様。そして人形となった天田は何事もないようにまた寮をぶっ壊して外へと飛んで行った。
「うーん、エクセレント」
「No no no no, excellent」
エリー繋がりお疲れ様です。
『アハハハハハ! このまま町を壊してやるんだ!!』
天田戻って来い。
「困りましたわね、度重なるストレスによって精神が逝っちゃったみたいですね」
「ああ、一体何が原因なんだ」
誰のせいだと思っている?
「「「?」」」
お前ら三人出家してこい。
「いいえ、まずは貴方の操を穢されてから」
お前らもう穢れてるから。お前は別の意味でだがな。
「ではJOKERにお任せして祓って頂かなければ。あの電波うるさい方にしますか?
それともフリーザ様にしますか? それともポロリにしますか?」
同じじゃねぇかよ。
「あー…お前ら三人とそこのエレベーターガール。これは一体何があったんだと聞いておく」
「荒垣、見ての通り天田の精神が少し逝ってしまってな」
「それは大変ですね」
あ、最近意図的なまでに二人でいる事が多い荒垣風花じゃないか。
「そういう風に荒垣風花と略称されますと夫婦の契りを交わしたみたいじゃないですか」
「え、ええええええ!?」
OK,その反応弄り甲斐あるよ。
「さて、問題はどうやって彼を止めるかですね」
「ああ、全くだ」
「ほんとそうよね、やっぱり子どもだからはしゃいじゃって…」
お前ら一辺自分の胸に手を当てて聞いてみろ。
「そんな、女性に対して自分の胸を弄ってハァハァしていろだなんてやはり凄まじい性癖の持ち主ですね」
一回転生して来い。と言うかもとの世界へ帰れ。だけどそれは約一名夜にさせるから安心しろ。
「ユニバースをお願いします」
誰の責任でこうなったと思ってんだよ。
「貴方が全て悪いで決着をつけます」
『さぁアイギス、そこの色情魔がいると僕の情操教育に悪いから吹き飛ばしちゃって!』
止めろアイギス! 憎しみは憎しみしか生まれないんだぞ! と、どこかの凸のような事を言ってみる。
『了解であります天田様。ついでにそこの阿婆擦れ奴隷も吹き飛ばすであります』
おーい、明らかに私怨入っちゃっているよ。
「ゆにばーーーーーーす……」
結局やる気のないまま世界を救っちゃったりしている俺がいる。
「ふぅ、お疲れ様でした」
何事も無い様に世界は救われ、エリザベスは全ての責任を転嫁させて元の世界へ帰ろうとかふざけた事を抜かしている。
お前何しに来た?
「それは秘密です。特別ゲストでしょうか?」
ゲストにも程があるだろ、というかこちら側のエリザベスに謝れ。
「それが面白さなのですから」
どうしようこの女、とりあえず一辺凹すか?
どうでもいいが『凹む』って字を見ると赤ん坊が仰向けになって天井に両手両足を上げている姿を想像する。
「それはもう何ヶ月か先になれば実際に拝見する事が出来ますよ」
何その予言?
「具体的には半年後」
四ヶ月前は確かに…というか思い当たる節が多すぎるぜ!!
「この色情魔の一辺でも彼に分け与えたいですね」
ああ、俺の性欲は無限大だ。いくらでも渡せるぜ。
「フードファイター、いやデザイアファイター乙でございます」
欲望の剣闘士かよ。
「バーコードバトラーでございますか?」
そのネタ古いよ、いつの人間だよあんた。
「それでは失礼します」
やれやれ、どういう原理かは知らないけどとりあえず助かったようだ。
もうこれ以上後腐れの無いようにネタを引きずる事が無いようにな。
寮に戻って愕然とした。
「アイギスを元に戻せやあのエレガ!!」